余裕のある男の心理学——希少性の原理とリアクタンス理論
なぜがっつくとモテないのか。チャルディーニの希少性の原理とブレームの心理的リアクタンス理論から、余裕がある人が魅力的に見える科学的な理由を解説します。
メッセージを即レスして、毎日連絡して、常に相手を優先する。一生懸命なのに、なぜか相手の反応が冷めていく。この現象には心理学的な裏付けがあります。
希少性の原理:手に入りにくいものに人は惹かれる
社会心理学者ロバート・チャルディーニが著書 『影響力の武器』 で紹介した希少性の原理は、手に入りにくいものほど価値が高いと感じるという人間の認知バイアスです。
有名な実験があります。同じクッキーを2つの瓶に入れ、片方には10枚、もう片方には2枚だけ入れて被験者に評価させたところ、2枚しか入っていない瓶のクッキーの方が美味しいと評価されました。中身は全く同じなのにです。
これは恋愛でも同じことが起きます。いつでも会える、いつでも返信が来る、常に自分を優先してくれる。この状態は安心感を与える一方で、希少性がゼロになっています。相手にとってあなたの時間はいつでも手に入るものになり、価値が下がって見えるのです。
心理的リアクタンス:自由を制限されると反発する
もう一つ知っておきたいのが、心理学者ジャック・ブレームが提唱した 心理的リアクタンス です。人は自由を制限されると、その自由を取り戻そうとする心理的な反発が生まれるという理論です。
わかりやすい例が「この動画は限定公開です」と言われた瞬間に見たくなる現象です。ダメと言われると余計にやりたくなる。
逆に言えば、いつでも自由に手に入る状態には心理的リアクタンスが発生しません。つまり追いかけたいという衝動が生まれにくいのです。
常にこちらから連絡し、常にすぐ返信し、予定を聞かれたらいつでも空いていると答える。これは相手の自由を何も脅かしていないので、リアクタンスが働かず、追いたいという感情が発生しません。
余裕を作るための具体的な行動
理論はわかった。じゃあ実際にどうするか。駆け引きをしろという話ではありません。本当に忙しい人間になることが一番の近道です。
- 自分の予定を優先する。 相手から誘われても、先約があるなら断っていいです。いつでもOKと言わない。これだけで希少性が生まれます
- 返信は自然なペースで。 即レスを意識的にやめる必要はありません。本当に仕事や趣味に集中していたら、物理的にすぐ返せないだけです。つまり、スマホを見つめる以外にやることがある生活を作ることが本質です
- 追いメッセージを送らない。 返信が来なくても催促しない。ここで焦ると希少性もリアクタンスも一瞬で消えます
大切なのは、テクニックとして演じるのではなく、実際に自分の生活を充実させることです。髪型を整え、服を変え、筋トレをし、仕事に打ち込む。やるべきことに集中していれば、相手のLINEの返信速度を気にしている暇なんてなくなります。
がっつかないことと、行動しないことは違う
一つ注意があります。余裕を持てというのは、好意を隠せという意味ではありません。デートに誘う、好意のジャブを打つ、告白する。やるべき行動はしっかりやります。
余裕があるとは、結果に執着しないことです。この人がダメでも次がある。そう思える状態が、結果的に最も魅力的に映ります。希少性とリアクタンスは、自分の人生を生きている人に自然と備わるものです。